キャプテンコラム1月号「内定ブルー、あるいは入社の決め手について」社員コラムより

この時期になるとほとんどの就活生が内定をもらって、
社会人になるまでの学生生活を卒論や研究に
費やして過ごしていることでしょう。

また、まだ就職先が決まらず就活を続けている方も
いらっしゃるでしょう。
しかしいずれはどこかへ就職をするかと思います。

就活は辛いこともたくさんありますから、
内定を勝ち取れば、とめどない喜びや、
自分のすべてが認められたかのように感じる陶酔など、
内定一つでいままで味わったことのない感情に
舞い上がってしまうこともあるかもしれません。

しかし一方で、本当にこの会社で大丈夫なのだろうか、
ネットでの会社の評判があまりよくない、
第一志望の企業ではない。

あるいは、第一志望でも仕事についていけるだろうか、
実はほかにも気になっている業界がある、など
といったさまざまな不安が、
内定をもらった嬉しさとともに
複雑に混在してしまうことがあります。

今回はそのような、誰もが陥る内定先が決まった後の不安、
いわゆる「内定ブルー」について書いていきます。
この記事が、これから社会人になられるみなさんの背中を一押しできれば幸いです。

みなさんは就職先を決めるとき、
何を決め手にしているのでしょうか。

給料や福利厚生、人気な業界、やりたい仕事、
自分の時間が多く取れそう、などでしょうか。

もちろん人それぞれに動機はありますし、
それが間違っているということもありません。
ですがここにいま書いたものは、
探せば探すほど新たに条件のいい企業が見つかって、
あっちに行ったりこっちにいったりと切りがありません。

ぼくも最終的にはこのナレッジシードに入社しましたが、
入社までじつは大きく悩みました。
3月31日まで悩んでいたくらいです。
ぼくは大学院で演劇や文学を研究していましたから、
その研究を続けて学生のままいようか悩んでいたのです。

それに企業に入ることは、
そういった一般的に「非生産的」と言われるようなことから
切り離されてしまうことと考えていました。
多くの人は文学に興味がありません。
ぼくも就職活動をしていたときに面接で研究のことを話しても、
面接官が鼻で笑うような企業がほとんどでした。

では、そんなぼくはいったい何を決め手に
ナレッジシードへ入社したのでしょうか。

その理由は、
お金でも福利厚生などでもなく、「人」です。

社長との最終面接、やはり研究の話をしなければならなかったのですが、
社長は嫌な顔をせずむしろ興味をもって、
演劇と文学の話を聞いてくれたのです。

社長がもともとそういったことに興味があったわけではないと思います。
目の前に座るぼくの話を一生懸命に聞いてくれたのです。

ぼくにとってそれは、
企業の面接を受けていて初めての経験でしたから
時間を忘れてたくさん話してしまったのですが、
その後数日たって内定のご連絡をもらいました。
ぼくが入社を決めた理由はまさにここだったのです。
こういったことを書くと読んだ人からは、
ぼくのことが社長を崇拝する盲目的な教信者のように映るでしょう。

でも考えてみてください。
面接で自分がする話を無意味と判断して聞かない面接官と、
たとえ興味がなくともしっかり聞いてくれる面接官、
どちらが一緒に働きたいと思うでしょうか。
面接官とはいえ企業に入社すれば、
その人と一緒に働くことになるのです。
当然面接での居心地がよかったほうが、
これから入社するうえで安心ではないでしょうか。

ですから内定をもらって、
本当にこの企業に入社していいのか、
そう悩んでいるときは、
まずそこで受けた面接を思い出してみましょう。

そこで出会った面接官の方が、
親身になって話を聞いてくれた、
話していて気持ちが良かった、
この人と一緒に働きたいと思えた。

そうプラスな要素があればそれは貴重な出会いで、
縁ですから、それを入社の決め手にすると良いです。

まだ内定をもらっていない人は、
これからそういった面接官と出会う機会は必ずありますから、
その出会いが早く来ることを祈っています。

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